安倍政権誕生について思う事・・・
去る12月16日(日)の衆議院選挙の自民党圧勝により、約3年強続いた民主党政権が幕を下りた。しかし、肝心の投票率は非常に低く、国民の政治に対する関心が非常に薄かった事を如実に表しただけであった・・・。本来なら自民党と民主党の不満層が非常に高くて、その怒りの票が「日本維新の会」や「みんなの党」、「日本未来の党」と言った第三極勢力に集まる筈だったのが、チームワークがばらばらであったために、自民党の圧勝を招いてしまった事となる。
この様な経過で誕生したのが安倍政権で、辞任から5年ぶりに復活する形となる。
主な特徴は、首相ないし総裁経験者を含めたベテラン勢と安倍氏の側近や友人たちで固められた布陣である。
政策の内容については、経済や福祉などの内政においては長年続いたデフレ不況脱却のために「目標2%のインフレターゲット」や「公共事業のバラマキ」、「生活保護の削減」、「原発の再稼働」、「TPP交渉の参加」等がある。
安倍政策の最大の目玉は、戦後レジームからの脱却に基づいた「憲法の改正」と「民主党外交の失敗からの立て直し」だ。
しかし私が感じる所では、安倍氏が「デフレ不況から脱却したい。」や「経済を活性化し自由闊達にしたい。」、「自主憲法を制定したい。」、「国防力を強化したい。」との気持ちは分かる。だが、一歩間違えると「古い自民党が戻ってしまい、政権交代の意味がなくなってしまう。」と言う事になりかねない。更に下手をすれば、ハイパーインフレによる物価の激しい高騰や更なる格差の拡大、原発再稼働やハコモノ建設ラッシュによる放射能や自然に対する環境破壊、「自虐的歴史観の脱却」と言う名の下による平和憲法精神の破壊や急進的な右傾化と軍拡の暴走、靖国参拝等に伴う周辺アジア諸国とのあれつき、中国や韓国、ロシアとの領土絡みによる激しい対立、新世代エネルギー育成が出来ないが故に起こる国内産業の遅延や遅滞等による国内経済の衰退等、忌まわしい事が起こってしまう。
正に「セーフティーネット無き規制緩和・金融自由化・憲法の改正・防衛力の強化」である。最悪の場合、国内では反原発・反基地・反TPP・反増税運動の更なる激化や暴徒化、海外では日中間の武力衝突や安倍政治による激しい右傾化による日本に対する国際的非難と孤立、その事から来す「日中韓が仲良くやってほしいし、お互いの民族主義をむき出しにしないでほしい。」と本音では思っている同盟国のアメリカからの厳しい指摘と外圧を受けてしまう恐れもある。
安倍さんは「古き良き日本の伝統」を愛する心を持っているので、弱者や国民と同じ視線に立って彼等達を元気にしながら、近隣アジア諸国からの誤解や偏見を解消し、怒りを起こす事無くかつ「国粋主義者のタカ派」の顔を表に出さない形で憲法の改正や領土問題、戦後処理、戦没者やその遺族のための靖国参拝、防衛力の強化、伝統教育を行うべきだと思って止まない・・・。
同時に安倍さんは、リアリストと言う側面を持っている。そのため、前回の首相就任時には中国との関係修復に努めたり、靖国神社参拝の休止や村山談話を受諾していた。それが故に、支持層である右派勢力から非難されたり、本人が目標としている「戦後レジームからの脱却」や「美しい日本」が達成されなくなってしまう想定外の事態も起こり得る危険も高い。
政治も経済も社会も非常に混乱し、疲弊している私をも含めた日本国民の多くは「秩序と礼儀のある自由でかつ基本的人権がより尊重された社会」、「父親の様な強い防衛危機管理と母親の様な優しくて温かい医療と福祉の充実」を願っているのだから、安倍政権や与野党関係無く日本の政治家達は、その様な事を認識してすぐに実行して欲しい。日本の立て直しは待ったなしだから・・・・。
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しかし、今の日本は公共の福祉に反する権利がまかり通っていると思うね。
一般国民レベルの人権で考えてもね。
他国と比べると一目瞭然
投稿: ぬかし沢 | 2013年2月 9日 (土) 22時47分
ぬかし沢さん
正直、安倍政権は、保守色が今までに無く強いため、そうなったのかもしれません。
投稿: たもっち | 2013年2月10日 (日) 00時00分