CHAGE and ASKAのASKA逮捕について思う事・・・
去る5月17日、シンガーソングライターによる音楽デュオである、CHAGE and ASKA(以下、「チャゲアス」と表記)のASKA(旧称=飛鳥涼、本名=宮崎重明)容疑者が、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたとのニュースが入った。それを聞いた時は、余りにもの怒りとやるせなさ、情けなさと悲しさとが混同してしまった程だったのである・・・・。
それは、私が10代後半から20代前半まで、チャゲアスの音楽を聞いたり、その歌をカラオケで歌ったり、CDアルバムから録音したテープを多数持っていたからだ。彼等が作詞作曲した歌は、数多くのトレンディードラマやJAL等のCMソングとして採用されていた。更に、多くの人達はご存じ無くてびっくりするだろうが、1980年代後半を一世風靡していた男性アイドルグループの光GENJIの代表曲である「STAR RIGHT」や「ガラスの十代」、「パラダイス銀河」等の作詞作曲をASKA(当時の飛鳥涼)が手掛けていたのだった。ただ、光GENJIのデビュー曲である「STAR RIGHT」の作曲については、チャゲアス(当時の旧称「チャゲ&飛鳥」)の共同であった。それ以外にも、葛城ユキの「ボヘミアン」等々、数多くのアイドルや歌手等にも提供していた、ヒットメーカーという側面も・・・。
私自身にとって主な思い出の曲としては、フジテレビ系列のドラマ「101回目のプロポーズ」の主題歌で、1991年のオリコンチャート第一位「SAY YES」、パナソニックのCMに使われていた「僕はこの瞳で嘘をつく」、フジテレビ系列のドラマ「振り返れば奴がいる」の主題歌で、1993年のオリコンチャート第一位の「YAH YAH YAH/夢の番人」だ。特にこの三曲については思い入れが非常に強い。車のカーステレオで聞くための、そして今でもそうだが私がカラオケで必ずと言っても良く歌う曲だからだ。しかし、私が知っている限りにおいて、1995年以降は目立ったヒットは余りなく、同じ頃のB'zやサザンオールスターズの人気や実力は続いたものの、次世代のヒットメーカーの座をミスチルや福山雅治、GLAY等に譲る形でチャゲアスの存在は薄くなってしまった様な気がした。その様相はあたかも「日本のバブル経済の盛衰の如し」であったかの様だった。
それ以降「80~90年代を代表する大物アーティスト」として、そして「90年代初期のトレンディードラマ主題歌の定番歌手」としての伝説を残したものの、目立った活躍も無く、韓国ツアーの失敗や所属事務所の倒産、ヒット曲の皆無、体調不良等に伴う無期限活動の停止等による不幸の連続が続いてしまった。そのため、ASKAがそれらの腹いせで薬物に手を染めたり、体調不良等でチャゲアスの無期限活動停止に陥ってしまったのではないのだろうかと、私にはまざまざと感じてしまう・・・。5月17日のASKAが覚せい剤取締法違反(所持)の疑いでの逮捕によって、5月19日を以てして、ASKA、チャゲアスの音楽・映像および関連商品の販売中止・回収と、全楽曲・映像のデジタル配信停止が発表されてしまうに至ったのである。
しかしそれらにも拘らず、40~50歳代を中心とした世代が彼等の音楽を懐かしむためにもう一度聞こうとの思いが昂ってきた人達が増加したためか、YouTubeでの視聴の件数やオークションでCD等のソフトの落札価格の上昇さえも増えてしまった程である。しかし、その陰では麻薬に染めてしまったASKAに対する情け無さや悲しさや恥ずかしさ等を訴える怒号や「麻薬が誰でも簡単に入ってしまう」との麻薬に対する恐怖と不安さを訴えた声や文章が相次いだ。それだけ、日本の社会に対してASKAが犯した事件やチャゲアスの存在感や実績の大きさと更生による復帰への希望がそれだけ大きいという事を如実に表している。
この様な事から、麻薬販売ルートの解明やその常習者や麻薬自体を徹底的に取り締まるだけでは、何の解決にもならない。麻薬に嵌まってしまった方々の恐怖や不安の現実を告白ないし啓発、専門家や当事者同士ないし中毒回復者等によるカウンセリング、共同生活による教育や医療福祉、社会全体からの力を借りる形での更生や治療、そして社会復帰に向けたリハビリを優先して行かなければならないし、麻薬撲滅に向けた運動のみならず、学校での授業や会社組織での研修や一般勉強会と言う形での教育実習と言う形をも含めて行く形で、今まで以上にそれらをより本格化して行かねばならない必要性があるのだと思っている。
況してや、多くの人達に夢と希望を与えてくれる芸能人が大きな罪を犯してしまったのだから、尚更・・・。
最近のコメント